クロムフリーのため、土壌を汚染せず肥料の原料にすることができる牛革です。植物由来成分でなめしながらも、自動車や家具などに求められる物性を保っています。今後は製造過程で発生する革の廃棄物や、製品化後に役目を終えた革を回収し、肥料化を目指します。
副産物である皮の活用だけでなく、使われた後の革を自然に還元することで、「めぐり」「つながる」循環型社会を目指す。
開発のきっかけ
本革は、本来食肉用の動物からお肉をいただくときに出る皮を活用したサステナブルな天然素材です。私たちは、もっと環境にやさしい本革を開発したいとの思いから、次世代のクロムフリーレザーを開発しようと動き出しました。
その際、世の中が、化学肥料から有機肥料へとトレンドが移行していることにも着眼しました。その結果、「有機肥料の原料になるクロムフリーレザー」という構想が立ち上がりました。
CircuLeatherから生まれた肥料は窒素成分を多く含んでおり、植物の茎や葉を大きく育てる効果があります。弊社の山形工場で行った栽培実験では、ブロッコリーとミントの葉を大きく育てました。
独自技術
植物由来成分を活用したなめし方法ながら、自動車や家具に求められる物性と高触感を保つ技術
素材 基本情報
原料:牛革(クロムフリーなめし)
受注:オーダーメイド (シボ/色/厚み/加工*)
サイズ:半裁革 (約200ds*)、厚み1.2±0.2mm
加工方法:裁断、縫製 (一般的な本革と同様の加工が可能)
*パーフォレーション(穴あけ加工)、エンボス、キルティングなど、後加工による加飾を付与することも可能です。
*1ds=100mm×100mm。天然素材のため、傷やしわなどにより一部使えない部分もございます。


採用事例
オフィスチェア
製造工程
1.国産もしくは輸入の革(鞣まで完了したもの)を湯戻し・水絞りし、加工しやすい新鮮な状態に戻す
2.厚みを揃えるためのシェービング、トリミングを行う
3.クロムを使用せず植物由来成分を主に使用し再鞣し、染色を行う
4.乾燥させ再鞣し剤や染料を定着し、表面塗装で艶調整や機能性を付与
5.風合い調整を行い製品検査
★全ての工程を自社山形工場で行っています。
★製造過程における水使用量、電力消費量の削減を実現しました。
【肥料化方法】
※現在は実証実験段階ですが、今後は肥料化スキームを構築し、端材や使用済の革の再活用を目指します。
①製造工程2で発生するシェービング粉やトリミング屑の肥料化 (実証実験済み)
②製品製造メーカー向けへ納入する裁断端材の肥料化 (技術開発完了段階)
③製品実装されたもの (革単品) を回収し、肥料化 (今後実現を目指す)