色と柄のバリエーション豊富な、リサイクルウール生地

RE:NEWOOL®(リニュール)

RE:NEWOOL®は尾州産地で作るウールの廃棄衣料を原料としたリサイクルウール生地です。再生紡績時にウールと混じり合わせるポリエステルやナイロンもリサイクル原料を使っています。
廃棄衣料の色を利用して新しい色糸を作り、生産途中でほとんど染色しないため、新毛を使った場合に比べて水やエネルギーの使用を減らせます。
生地の種類や色柄のバリエーションが多く様々な用途に対応できます。


回収衣料を尾州産地の技術でリサイクルして
再びファッションへ

開発のきっかけ

瀧定名古屋は、名古屋で160年続く繊維専門商社で、服地の卸売りを行っています。
尾州産地(愛知県の尾張地方を中心に、一宮市、津島市、稲沢市、江南市、そして岐阜県羽島市など)では、1960年ぐらいから「毛七(けしち)」と呼ばれる再生ウールが生産されていました。当時は新毛が高価だったので、毛七はモッタイナイ精神から生まれたのです。しかし、新毛使いの純毛生地に比べると質の悪いものとされ、表立って使われてはいませんでした。

「毛七」がサステナブルな素材だと注目されはじめたのは、2017年くらいから。リサイクルの大切さが語られ出し、価値観がどんどん変化してきました。
しかし産地は縮小するばかり。再生ウールは尾州産地の工場と職人が居なければ存在し得ないものなので、私たちはその価値をしっかり伝え直そうと、「RE:NEWOOL®」と名付けて再生ウールのリブランディングを始めました。

技術・素材特徴

・古くから培われた尾州内工場の技術と連携力で、合理的なリサイクルスキームを実現
・細やかな色分けと、職人の調色技術で、鮮やかな色のウール生地に再生

素材 基本情報

原料:再生ウール(60%前後) + 再生ポリエステルや再生ナイロン等
生地:織物、編み物
バリエーション:無地、チェック、起毛素材
オーダーメイド:生地製作可能(最低生産ロットあり)
性能:熱遮蔽、吸湿、抗菌、防臭、保温 (ウール本来の性能)

採用事例

ジャケット、コート、シャツジャケット、トラウザース、スカート、帽子、膝掛け(リバーシブル)

別注受注用サンプルの折りたたみ椅子

製造工程

※すべて尾州産地内の工場で行われています。
1.故繊維業者を通して全国からウール80%以上の古着や、縫製残布などを回収
2.色ごとに回収衣料や残布を仕分け。約50色に分ける
3.ネームやボタンなどを取り除き、回収衣料を名刺大の大きさに細かく裁断
4.特殊な油をかけ生地を柔らかくし、反毛(繊維をほぐしわた状に)する
5.染料を使わずに、反毛した色わたを調合して希望の色をつくる(調色)
6.強度と風合い出しのため、わたに少量の化学繊維を混ぜ、糸を作る(紡績)
7.糸を組み合わせ、生地を作り(織・編)、オイルや汚れを洗浄し仕上げ

★動画解説はこちら

色分けした回収衣料や残布
尾州の織物工場(尾州ファッションデザインセンター提供)